Column

終わったとき笑顔で

ガンバはシーズン序盤から調子が良く、前半の18試合で負けは1試合しかなかった。自分たちのサッカーに自信を持っていたし、絶対負けないという気持ちで毎試合やってた。しかし、8月15日、優勝を争う浦和に負けてから崩れていった。次の横浜FC戦も引き分けて、その次の川崎戦は再び負けてしまった。

その後、選手だけでミーティングをした。今までは何人かしか発言しなかったけど、今回は全員が発言をした。改めてみんなの意見を聞いて、自分自身もすごく考えさせられた。毎日顔を合わせて練習してるが、そんなに意見を言い合わない。これはチームの「色」だと思うし、一人ひとりの性格の問題やと思う。チームは勝ってたし、大きな問題はなかった。しかし、チームが勝てなくなると、今まで問題ではなかったことも問題になってくる。そんなときは話し合うことが一番だと改めて感じた。

昨年、ガンバは素晴らしいサッカーをして、周りから賞賛された。でも終わってみると何もタイトルは取れていなかった。これがすべてだと思う。プロ選手として、タイトルっていうのはすごく重要なものだと思う。俺はタイトルが取りたくてガンバに移籍した。今年は去年の二の舞になりたくない。

ミーティングをしてからの2試合。いい試合ができたと思うし、勝つこともできた。みんなの気持ちがひとつになっていると感じたし、やってて楽しかった。こういう時は個人としても結果がでる。

長いシーズンいろいろなことがある。個人としてもチームとしても。その中で、おれは短いスパンでの結果は気にしないようにしている。1年間闘ってトータルどうなのかが大事だ。1年間ブレないこと。これがサッカー選手・播戸竜二が一番大事にしてることかな。シーズンも終盤に入っていく。終わったときに笑顔でいたいね。

毎日新聞夕刊「サッカーマインド」連載
終わったとき笑顔で=播戸竜二
2007年9月14日