Column

最後に最高の笑顔で

長いリーグ戦が終わった。移籍1年目の昨年は3位で終わり、今年こそはタイトルを!と意気込んだシーズンだったけど、終わってみたら同じ3位。結果的には何も変わってないけど、自分自身はすごい経験をした1年だった。

 マグノアウベス、バレーという外国人選手とのポジション争い。覚悟を決めていたが、実際、自分が出られない試合もあり、自分が活躍しなくてもチームが勝つという歯がゆい思い、悔しい思いをたくさんした。

自分は毎年成長してると思う。それは肉体的なものか、精神的なものかはわからないけど、成長してると言い切れる自信がある。でも、レギュラーにはなれなかった。プロの選手で一番大事なことは試合に出ることだと思う。毎日の苦しい練習も、身体のケアも、すべては試合でいいパフォーマンスをするためのものだからだ。でも、出られない試合があり、いろいろな葛藤があった。そういう意味では精神的にタフになったと言えるかもしれない。

試合に出ていないことで自分のことを考えたり、振り返ったりする時間が長くなった。「長いシーズンいろいろなことがあるから、絶対出番は来る。そこでどんなパフォーマンスができるか」「毎日を一生懸命過ごしていれば結果は絶対ついてくる」。そう思いながら練習に励んでいた。

代表とクラブを掛け持ちした1年でもあった。リーグ戦がないときはほぼ代表の試合や合宿があり、この1年はあまり休んだ記憶がない。でも、厳しい日程でも、怪我なく終われたことは大きな自信になった。

リーグ戦9得点、ナビスコ杯2得点。結果には全然満足できてない。でもこれは来季へのモチベーションになると思うし、天皇杯へのモチベーションにもなる。昨シーズンは最後の最後で取れなかったタイトル。今季は1月1日に最高の笑顔でみんなと喜び合いたい。

毎日新聞夕刊「サッカーマインド」連載
最後に最高の笑顔で=播戸竜二
2007年12月7日