Column

キャンプ中の貴重な時間

3月3日のJリーグ開幕へ向けて、ガンバ大阪はトレーニングキャンプを続けている。2月上旬はグアムで主に体力づくり。中旬からは宮崎に移動し、練習試合も行っている。キャンプ前から体を作っていたので、厳しい練習も集中してやれた。ガンバの場合、体力づくりといってもボールを使ったメニューが多い。ただ走るだけだと精神的にもきついが、サッカー選手にとってはボールを使う練習はハードでも楽しい。

キャンプでの1日は、朝6時半からの全員での散歩で始まる。朝食の後、9時から午前の練習。昼食、昼寝を挟んで3時ごろから午後の練習。夕食の後はマッサージなどで体のメンテナンスをし、夜11時には寝る。練習で疲れているから遊んだりする気にもならない。そんなサッカー漬けといっていいキャンプ中での何よりの楽しみは食事だ。

食事はバイキング方式で、自由に席について食べる。このとき、いろんな選手と話をするのが楽しい。お互いのプライベートなことが多い。兄弟やファッションの話など。サッカーとはあまり関係ない話題が多いが、こうしてお互いのことを知り合うことは、一つの目標に向かってともに戦う「ファミリー」として、大切だ。

僕自身、いろんな選手との何気ない会話が、ためになったと感じることは多い。試合への持っていき方、遠征先や飛行機移動での過ごし方など、先輩の方々の経験はとても参考になっている。僕も今年、プロになって10年目を迎える。その間に考え、経験してきたことを若い選手に伝えていくのも一つの役目だと思っている。こういう積み重ねがクラブの歴史にも、財産にもなっていく。

今季もレギュラー争いは激しく、気を抜けない日々が続いている。そういう中でもみんなでわいわい話すことでリラックスできる。こういう時間を大事にしながら、戦っていきたい。

毎日新聞夕刊「サッカーマインド」連載
キャンプ中の貴重な時間=播戸竜二
2007年02月16日