Column

自分の思いを直接伝える

このコラムの最後にアドレスを載せているが、僕は公式ホームページを持っている。今でこそブログを書く選手も少なくないが、7年前に開設した当時は、他にあまりいなかった。きっかけはPKをもらった試合の翌日の新聞記事だ。「自分でPKをもらいにいった。ラッキーだった」という内容が載った。そんなことを言ったつもりはなかったけど、一度活字になってしまうと知らない人には僕がそういう選手だと思われてしまう。メディアは大事だけど、人づてに思いを伝えるのは難しいなと感じ、自分の責任で直接、伝えていける場が欲しいと思い始めた。

日記にはサッカーだけでなく、日常のことも書くようにしている。自分にも、読んでくれる人にとっても面白いものにしたいと思っている。今では1日に平均1万件のアクセスがあり、たくさんのメールももらう。なかでも、「読んでいると元気になります」といってもらえるのが一番うれしい。海外からもメールが届く。昨年、アジア・チャンピオンズリーグで韓国に遠征した時、時々日本語でメールをくれる韓国の人にも会った。

サッカー選手はサッカーだけやっていればいいという人もいる。でも僕は、僕を知ってもらい、そしてサッカーに興味を持ってもらうためにいろんなことに挑戦したいと思っている。だから依頼があればテレビ番組にも出るようにしている。開幕前には、全国ネットのスポーツニュース番組に生出演した。すごく緊張したけど、とてもいい経験だった。

日記を書いたりメディアに出ることで、その分試合で活躍しなければという自分自身に対してのプレッシャーもある。ガンバはゼロックススーパー杯、J開幕戦で2連勝していいシーズンのスタートを切れたが、自分自身はまだゴールを挙げられていない。焦らず、1年を通して活躍できるよう頑張っていきたい。

毎日新聞夕刊「サッカーマインド」連載
自分の思いを直接伝える=播戸竜二
2007年03月09日