Column

最後まで闘って行きたい

4月2日の大分戦でけがをした。診断結果は右足首のねんざだった。なかなか痛みが引かず、リハビリの毎日を送っていたが、30日の大宮戦でようやく復帰した。サッカー選手にけがは付き物だ。わかってはいるが、それを受け入れるのは容易なことではない。調子が良かっただけに悔やまれる。でも、試合は続いていき、日々は流れていく。

けがで一番恐いのは再発だ。神戸時代、ふくらはぎをけがした。残留争いの真っ只中で、何とかチームに貢献したいという想いが強く、無理をして再発してしまい、半年近くをリハビリに費やした。その時はこのまま引退してしまうのかと思うほど、弱っていた。

それを経験してからはけがとの付き合い方も変わってきた。はやる気持ちはもちろんあるが、それを抑えるようになった。けがをしたまま無理をしても、チームの力になれないし、そのけがをかばうことで他の個所を痛めてしまう可能性もある。

確かに葛藤はあるが、そこはグッと我慢してリハビリだ。僕はけがから復帰したときに今までより強くなっていたいと、いつも考えている。そのけがをすることで、わかることがいろいろあるし、何よりサッカーをする素晴らしさを再確認することができる。

今、Jリーグは連戦に次ぐ連戦だ。正直、カラダもココロもついていかない時がある。僕は復帰して間もないのでフレッシュだ。今までチームに迷惑をかけた分、自分が引っ張って行きたいと思う。

ガンバは今あまりいいチーム状態ではない。でも、決して悪いわけでもない。少し歯車がずれているだけだと思う。長いシーズンを闘っていくなかでは、いろんなことがある。自分たちを信じて、最後まで闘って行きたい。

毎日新聞夕刊「サッカーマインド」連載
最後まで闘って行きたい=播戸竜二
2008年5月2日