Column

一丸の勝利で世界へ

決勝進出。ガンバ大阪が浦和レッズを破ってアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)決勝に進んだ。ライバル、そしてディフェンディングチャンピオンの浦和を倒しての決勝は感動的だった。思えばここ何年か、常に浦和が目の前に立ちはだかった。06年のJリーグ、07年の天皇杯。そんな中、アジア王者を決める大きな舞台で浦和を倒しての決勝進出。最高の気分だった。

僕の出場時間は少しだったが、その中でゴールを狙い、勝利に貢献できるよう全力でプレーした。2年前の予選リーグ敗退という悔しい経験をしての決勝進出。そして個人としては今年、何回も離脱をしてチームの力になれてなかっただけに最高の気分だった。

当日はガンバのスタッフも総出で埼玉スタジアムに足を運んでくれ、多くのサポーターも応援してくれた。終始レッズサポーターのブーイングにあい、自分たちのサッカーができない時間帯もあったが、ガンバに携わるすべての人が一丸となった結果の勝利だった。

決勝の相手はオーストラリアのアデレード・ユナイテッド。鹿島を倒した強豪チームだ。移動もあり、大変な試合になると思うけど、今の自分たちならやり遂げられると思う。決勝までは長い道のりだったけど、ここで負ければ2位という記録は残るが、記憶としてはあまり残らない。今まで散々、決勝で負けてきて、そのつらさもわかっている。チャーター便も飛ぶようなので、また、みんなで戦って勝ちたい。まずは初戦、万博での試合。そして2戦目のアウェー。この合計で決まるので、それに合わせた戦い方が重要になってくる。優勝すると次は世界クラブワールドカップ。テレビでしか見たことがない偉大なマンチェスター・ユナイテッドと試合ができるチャンス。こうやって世界につながっているのがACLの魅力だ。いざ、今までの結晶で決勝へ!

毎日新聞夕刊「サッカーマインド」連載
一丸の勝利で世界へ=播戸竜二
2008年10月24日