Column

最高の経験に興奮

クラブワールドカップ準決勝、マンチェスター・ユナイテッド戦が終わった。満員の横浜国際競技場。興奮しないわけがなかった。結果は3—5だったが、ガンバのサッカーはできたと思う。マンUが本気だったかはわからないけど、世界最高の選手たちと一緒にサッカーをできたのは最高の経験だった。こんな経験ができるクラブW杯は本当にすごい。そして、これからもっともっと頑張らないといけないと思った。

世界の壁は本当に高い。ファーディナンドにビディッチ。この2人は世界最高のDF。その2人とのいろいろな駆け引きは心から楽しかったが、さらに自分がレベルアップしないとだめだとも思った。クリスティアーノ・ロナルドは今現在、世界最高の選手。その称号はだてではなかった。ドリブル、シュート、パス。本当にすべてが一級品。ルーニーは途中出場だったが、抜群の決定力を見せた。アレが自分には足りない。

世界を相手にする時、チャンスは多くない。その少ないチャンスをモノにするかしないか、それがすべてだ。ギグス、スコールズ、ネビルというマンUの魂のような3人もさすがの存在感だった。

そして何よりもうれしかったのは、すべての選手が紳士だったこと。試合中だけでなく、試合後の振る舞いも本当に立派だった。試合が終わってから、何人かの選手に写真を撮ってもらったが、紳士的に対応してくれた。サッカー選手はこうでないと。みんなのあこがれの存在なのだから。本当にいろいろ勉強になった。

次は3位決定戦が待っている。3位になるのと、4位では全然違うから次の試合は本当に大事。今、まだ興奮しすぎて何が何かわからないけど、これだけすごい選手たちと試合をしたのは一生の記念になる。最高に楽しかった。

毎日新聞夕刊「サッカーマインド」連載
最高の経験に興奮=播戸竜二
2008年12月19日