Interview
Interview:播戸 竜二

ーFWとして、またガンバとは違う攻撃スタイルを経験できたのも楽しかったのでは?

「かなり楽しかったね。ガンバはパスを繋いでみんなで崩していくという感じで、最後は真ん中にいる選手にあわせてボールを送り、ゴールを決めるという形がベースだったけど、セレッソは一人一人が個性を発揮しながら、それをチーム全体の攻撃力として深めていくという感じやったからね。パスを出せるところがあっても、自分でグイグイ、ドリブルで仕掛けていったり、ペナの中に人はいるけど自分でシュートを打つという選択もOKで、それが新鮮で楽しかった。それに、若い選手の強引さ、どん欲さを見て、『やっぱり、サッカーにはこの強引さ、どん欲さが必要や!』って思えたというのも良かったというか。若い選手ってほんまにどれだけやっても疲れへんから(笑)、それにつられて『俺も負けられへん!もっとやらな!』っていう気持ちにさせられたところもあったからね。そういう意味でも、30才を過ぎて改めてサッカーの楽しさを再確認できたり、真司やアキが海外に出て行くのを見て、『自分にも!』と思えたのは、自分のサッカー人生にとっても、すごい良かったと思う。そもそも若い選手ってめっちゃ練習をするからさ。そこで一緒に自分も練習して、もっともっと巧くなりたい!って思いながらサッカーをしているのもめっちゃ楽しいし。」

ーそんな1年目を経て、2年目はどんな年にしたいですか?チームとしても初めてACLに出場しますが。

「個人的には当然、スタメンで出場して、ずっと点を獲り続けて、というのが理想やけど、そうそう思い通りにはいかんやろうから(笑)。ただ『FWとして試合に出て点を獲る』ということは自分の価値として持っておきたいし、出場時間に関係なく『出してくれたら点を獲るよ』という自分でいたい。そのためには、点の獲り方という部分でもバリエーションを増やしたいよね。そのために、まずは止めて蹴る、という基本的な技術を更にレベルアップさせたいし、去年、カズさん(三浦知良/横浜FC)がFKから点を獲ったのは見習いたい。だって、FKからのゴールなら何才になっても点を獲れるやん(笑)?GKと壁、自分だけの問題だからこそ、そこに蹴れる技術さえあれば点を獲れる。そう考えても、今年はFKも練習したいと思っているよ。やっぱりサッカー選手に終わりはないから。どんどん自分に要求して、自分を高めていくことは可能やと思うし、今はそれが楽しい。変にあれをやらな、これをやらな、って肩に力が入っているのではなく、シンプルに『出たら、やるよ』という思いが持てているのもすごくいい感じやと思う。あと、初めてのACLに関しては、決して簡単な戦いにはならへんとは思う…やっぱり初めて、って簡単ではないから。でも、それをチームとして楽しみに変えていかなアカンと思ってるし、そのために自分の経験をうまくチームに伝えられたらとも思う。そういう役割も、僕にとっては楽しいと感じていることの1つでもあるから。」

取材・文 / 高村美砂
produced by LIRIONET

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