Interview
Interview:中澤 聡太

ー昨年の活躍はそれを体現していたと思います。センターバックとしては山口智選手や高木和道選手などスタイルの違う選手と組む中で、それぞれのスタイルにあわせて巧くバランスをとってプレーされていました。

「確かに明らかに二人のスタイルは違うと思いますが、僕はどちらでもやりやすいというか。二人にあわせているようで、自分がやりやすいラインというのもしっかり探っていますからね。その証拠に僕がピッチで言っていることは、いつも同じですから。智さんには「もう少し抑えながらいきましょう」、和道さんには「もう少し上げましょう」みたいな。でもそうやって誰かのスタイルにあわせるのではなく、お互いのやりやすいスタイルを探りながらやっていくこともは大事だと思っているので。そこは誰と組もうと、今年も続けていきたいと思います。」

ー昨年は1つもタイトルを獲れずにシーズンを終えました。何が足りなかったと感じていますか。

「いろいろあるけど、一番はチームとしての守備の意識ですね。ガンバの得点力は確かに凄いし、相手を圧倒できる迫力もあるけど、優勝しようと思ったらやっぱり、守備の意識を植え付けなければいけない。例えばスペインリーグでのバルサやレアルのように飛び抜けた強さがあれば別だけど、Jリーグは正直どこが優勝してもおかしくないリーグというか。6~7チームに優勝の可能性があるリーグなんて、世界中を見渡してもないと思うんですが、だからこそ、守備の意識が必要になる。実際、去年を振り返っても、勝てている時はある程度、みんなが守備の意識を高く持てていますからね。ガンバの場合、相手に引かれて守られることが多い分、どうしても攻撃のことを考えがちだけど、そういう時こそ守備の意識をしっかり持って、まずは安定した守備をベースに攻撃を組み立てるということが出来れば必ず結果はついてくる。実際、西野監督も攻撃的なサッカーを、と言いつつ、闇雲に攻めればいいと思っている訳ではないと思いますから。もし高いラインを保ってもスペースがなくて攻め手がないなら、多少ラインを落として縦の速さを活かすとか、そういう柔軟性も必要になる。実際、去年の後半戦で勝てるようになったのもその考え方を持てるようになったからですしね。それに、多少ポゼッションを失おうが、守備にまわる時間が多かろうが、結果を出すことが大事というか。得失点を稼げば優勝できるならうちのサッカーは強いと思うけど、勝ち点で優勝が決まると考えれば今のサッカーだけでは必ず落とし穴がある。だからこそ、昨年の後半戦にみせたような割り切りも、この拮抗したリーグで優勝するためには必要だと思う。」


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