Interview
Interview:家長昭博

ー一番勝負できると思っているプレーは?

「そこはこれからですね。向こうに行って、自分が何なのか、とか、自分の武器はこれだというものを見つけたい。日本にいたらそれなりに何でもそつなくこなせてしまう自分がいるけど、向こうに行けば、トータル的に、というよりは、何か1つ、ずば抜けた武器を持たないと生き残っていけないですからね。例えば、Jリーグで足が速いと言われている選手も、ヨーロッパの中では対して速い部類に入らないと思うんですよ。そのくらい世界はレベルが高いし、質の高い選手が多い。だからこそ、平均的の選手になっても仕方がないので、何かずば抜けた個性というか一番の自分の武器だと胸を張れるものを見つけたい。それが向こうで最初に取り組むべきことだと思う。」

ー海外移籍では言葉の壁も乗り越えなければいけないことの1つになる。通訳などはつける予定ですか?

「基本、クラブの方針に従うつもりなので、クラブが通訳を置くのなら、それはそれでありがたいし、置かないのなら、それでも全然かまわない。でも、個人的に雇ってまで、とは思わないです。家族の面倒をみてくれる人は必要だと思うけど、僕がサッカーをすることに関しては必要ないのかな、と。プレーが出来れば、やっていくうちに言葉もなんとかなるでしょ…と思ってるんですけどね。僕の場合、スペイン語はおろか、英語も全然話せないけど(笑)、ま…そこも何とかなるでしょ。」

ーそのポジティブさの根源は?

「基本、何も考えてないからじゃないですかね(笑)。もちろん、僕個人のことは『なるようになる』と思っている反面、一緒に行ってくれる家族に対しての責任というのも感じているけど、これまでも、いろんなことがありましたからね。ガンバにいる時も試合に出たり出れなかったりだったし、大分でもケガをしたり、その後、ピッチに戻ってもなかなか思うようにプレーできないもどかしさを味わった時期があったり。セレッソでも最初はあまり試合に出られなかったし…でも、なんとかなってきたというか。どんな時でも自分らしくサッカーをやってきたし、やれてきたという自信もあるから不安になることはない。ただ僕は何も海外に行くことだけを目標にしている訳ではないので。説明が難しいけど…本気で行きたいと思って、クラブの質やレベルを問わなければ、誰でも海外に行くことは出来ると思うんです。Jリーグには、巧い選手がいっぱいいるからこそ、行くだけなら誰でも出来る。でも僕はさっきも言ったように海外に行って、成功したいから。もちろん、その成功の基準も人それぞれ違うと思うんですよ。海外に行っただけで成功と考える人もいるだろうし、極端な話JFLでプレーしていても成功していると考える人もいる。そして、そのどれもが間違っていない。なぜなら人が思う成功と自分が思う成功が一致するとは限らないから。人にどう思われようと自分がこれでいいと思えば、それが成功になる訳ですから。もちろん、ファンの方や応援してくれる人がいると思えばこそ、自己満足ではダメなのかも知れないけど、でも、僕は自分が考える成功のために、いい勘違いもしていいと思っているし、その中で結果を残していきたいと思っている。」


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