Interview
Interview:家長昭博

ー今年はC大阪で絶大な存在感を示し、Jリーグにも自身最多の31試合に出場した。コンスタントに活躍できた自信が、今回の移籍を後押しした部分はありますか?

「いや、それはあまり関係ないかも。海外のことはもっと以前から…おそらく、プロ2年目くらいから頭にあったので。もちろん、そればかりを追い求めていたわけではなく、Jリーグでプレーしている時はそのことに集中もしていたし、Jで結果を出すことに拘ってもいましたよ。今回海外への移籍を決めたけど、別にJリーグで自分がやり切った、と思っている訳ではなく不完全燃焼さを感じている部分もあるし。ただ、心のどこかには常に海外があったし、特に今年は同世代の選手がワールドカップも含めて、海外で活躍したということも刺激になった。また、今年に関して言えば、そうした彼らの活躍によって、海外の人たちの、日本人選手に対する免疫が出来たせいか、海外移籍のチャンスが大きく広がりましたからね。ただ、そうは言っても、向こうに行くのは一人だし、行ってからの評価は自分次第なので。例えば、真司(香川/ボルシア・ドルトムント)なんかは、同じチームでもプレーしてかなり身近な選手だったんですけど、その真司が今やヨーロッパで名前を知られるほど活躍していますからね。この間まで一緒にプレーしていた選手だけになんか変な感覚だけど(笑)、それは僕らにも大いにチャンスがあるということだから。それをしっかり活かせる自分でいたい。僕の場合はドイツではないので、また少し違うかもしれないけど、逆にスペインという日本人の成功例が殆どないところにチャレンジする楽しみもある。」

ー誰もが乗り越えられなかったスペインの壁を乗り越えてみせる、と?

「おそらく、中村俊輔さん(横浜Fマリノス)にしても、大久保嘉人さん(ヴィッセル神戸)にしても、もう少し長くいたら成功していたと思うんですよ。期間が短かったからそこまで存在感は示せなかったけど、二人の能力の高さを考えても、もう少し長くいれば、絶対に活躍できたと思う。そう考えた時に、僕は今回4年半という契約をしてもらったからこそ、それをしっかり全う出来たら必然的に結果も着いてくるのかなと。ただ、一方で、頭のどこかで同じチームに4年半もいたらビッグクラブにはいけないという思いもあるので(笑)。理想としては、2年くらいの間にしっかり結果を残して、また次のレベルに挑戦したい。」

ー家長選手の言う、ビッグクラブとはFCバルセロナやレアル・マドリードのことですか?

「いや、僕のイメージは違いますね。スペインなら、その2つより、アトレチコ・マドリードやバレンシアが理想だし、分かりやすく言うと…イタリアならミランやインテルより、ローマが好きだし。イングランドならマンチェスターUではなく、アーセナルやトッテナムの方がまだ好きかな、みたいな。偉そうだけど(笑)。」

ー普段から海外サッカーはテレビ観戦しているようですが、スペインで活躍する自分というのはイメージできていますか?

「テレビでは漠然と観ている感じだし、実際、行ってみないと分からないなというのが正直なところ。ただ、通用しなきゃいけないと思うし、漠然とながら、通用できると思っている自分もいる。」


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