Interview
Interview:増嶋竜也

ー移籍は今回で3度目。『移籍』そのものもポジティブに捉えられているようですね。

「そうですね。実際、今は不安より、楽しみという気持ちの方が大きいですしね。今になって振り返ると、初めてプロとしてプレーしたFC東京での3年間は、筋トレばかりしていた辛抱の3年間だったし、正直、自分自身も勘違いしていた部分もあったと思う。でもそこから初めての移籍で甲府に行って、ある意味『こんなサッカーもあるんだ』みたいな感じで衝撃を受けたし、最初は『自分にはあわないんじゃないか』って思っていた部分もあったのに、時間が経つ中でそういう大木武監督の新しいサッカーを楽しめることが出来たし、自分の世界だけにこもっていてはダメなんだと気づくことも出来た。そして京都での3年間では、試合経験をたくさん積めた中で、それまではどこか『自分さえ良ければいい』という考えだったのが2年目あたりから年齢的にも中堅になってきたこともあって、『自分のことだけじゃダメなんだ』と思えるようになり、チームのことやその中での自分を考えられるようにもなった。ポジション的にも新しいサイドバックというポジションを開拓できて、センターでプレーする拘りを持ちながらも、サイドバックの面白さも感じたし、必然的に運動量が求められるので体力もついたし、そういうトレーニングも考えてやれるようになりましたからね。そう考えても、この2度の移籍は本当に自分にとって大きかったし、だからこそ今回の柏への移籍もすごく楽しみに思えるというか。ネルシーニョ監督のもとで『今度はどんなサッカーに出会えるのかな』って、楽しみで仕方がない。それに、やっぱり経験って絶対に無駄じゃないと思うから。そのことを、柏のユニフォームを着てしっかりと示せたらいいなと思います。」

取材・文 / 高村美砂
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