Interview
Interview:高橋大輔VS高橋祐太郎

大輔:僕も今は試合に出ているけど、相当危機感を持っているけどね。ウイングバックをやったのもプロになってからだし、ましてやサイドバックは去年からだから。スペシャリストでやってきた選手に比べたらかなり出遅れているし、どんどんいい選手が出てくる世界だからこそ、日々向上していかないと、という思いは強い。ただ一方で、去年は、途中でシステムが代わり、個々の役割がはっきりした中で、結果的にはチーム全体が巧く融合して結果を残せるようになったし、DFとしては失点が少なかったのも自信になっているから。今年はレギュラークラスの選手が4人くらい変わった中で、まだ機能しているとは言い難いけど、ここで一人ひとりが我慢して、去年の経験を活かしてやれば、また新しい力を生み出せるはずだしね。今はそのことと、それをいかに結果に繋げていくかを考えて、日々チャレンジしている。

祐太郎:僕はまだ試合に出られるようなレベルではないので今の目標は、練習などで明らかになっている自分の課題と真摯に向き合うこと。一番単純な1対1のところ、守備のところを身体が覚えるくらいやりこんでいる最中なので、それを自信を持ってやれるようになりたい。あとはケガよね。去年は2回も手術したから。今年は絶対にケガをしたくない。

大輔:いや、ケガしてもいい、っていうくらいの気持ちでいればいいんだって。僕なんか過去4回も手術をしたのに、こうして元気にプレーしているんだから、2回でビビるな、って。

ー中断していたJ1リーグの再開が決まりました。東北太平洋沖地震についてはチャリティマッチなどを通していろんなことを感じられたと思いますが、再開されるJ1リーグでは『サッカー』を通じて、どんな力を被災地の方へ届けたいですか。

大輔:震災後から今日まで感じることはたくさんあって。その中で自分にできることを考えたけど、僕の仕事はサッカーですから。プロサッカー選手としての仕事を全うすることで、何かしら力になれたらいいなとは思います。今も被災地では消防隊やお医者さんなど、いろんな方がいろんな救助活動を続けているけど、誰もが自分の仕事に責任を持ってそれを全うされていますからね。僕も同じように…サッカーが直接的にケガを治したりっていうことはないけど、プレーすることで伝えられることは絶対にあると思っているので、とにかく一生懸命、自分の仕事をやっていきたいと思います。

祐太郎:僕が去年在籍した神戸は阪神淡路大震災の日に生まれたチームですからね。それもあって、当時の震災に関する映像も結構見たし、それを通じていろんなことを学ぶことができた。そうして震災ということを考える機会が多かったせいか、今回の東北太平洋沖地震も人ごとではなかったし、いろんなことを考えたんですよね。で、今、自分が感じていることを忘れないために、震災が起きた3月11日から日記を書き始めた。そうすることで、まずは今回の震災だけではなくプロサッカー選手として自分が出来ることをしっかり頭の中で整理しようかな、と。その上で、仕事ということだけではなく一人の人間として、積極的にやれることをやっていきたいと思います。


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