ー祐太郎選手は神戸時代はFWでしたが、C大阪ではDFとして登録されています。移籍するタイミングでのコンバートに戸惑いはなかったですか？

祐太郎：神戸時代も何度か右サイドバックをしたけど、コンバートという感じでもなかったので周りから「元FWだから多少できなくてもしょうがない」的に見られる部分もあって。でも今回の移籍にあたっては梶野智強化部長にも「お前はCBの選手として紹介するから」と言われて覚悟が持てたというか。言い訳ができない環境を与えてもらったのは大きかったし、だからこそ、やってやるぞ、という気持ちは強かった。ただ中に入って改めて感じたけど、兄貴も含めて４枚のDFの強さは相当ですから。このDFラインがあってこその攻撃力だなとも感じているし、ポジションを獲るのは簡単じゃないけど、とにかく、ヘディングの強さとか親に授けてもらったこの強い身体を活かした守備を武器、なんとかこの競争に食い込んでいきたいと思っています。

大輔：今はこう言ってるけど、去年神戸に在籍していた時に取材で「お兄ちゃんのサイドバックはどうですか？」って聞かれて「参考にならない」って答えていたからね！

祐太郎：兄弟だから、言えるんだって。でも、同じチームになるといちいち自分に置き換えて考えるせいか、あまり言えなくなった（笑）。まぁ、悔しいけど…同じチームになって改めて兄貴の凄さに気づいたところもあったしね。

大輔：そういうのはもっと素直に言ってこい（笑）。

ーそう言えば大輔選手も大分時代にFWからDFに転向されていますよね。

大輔：そうなんですよ。当時の僕もFWで入団したものの、最初は紅白戦にさえ出られない状況で。でも大卒だし、早く結果を出さなきゃって思いの中で、なんとか生き残ろうとボランチやDF、サイドバックをして…。ってやっているうちに更にポジションがなくなって、これは本当にヤバいと思っていた時にチャンスを掴むことが出来た。ただ、そういう経験をしているからこそ、祐太郎が自分と同じようにFWからDFにコンバートされて戦っているのを見るのは辛いというか…。あの時に自分が感じていた危機感や、どうしたらいいんだろうって思いを祐太郎も味わっているんだろうな、と思うと余計にね。でもまぁ、僕が言うのも何だけど、環境を変えて、いろんな刺激を受けながら、ちゃんと現実に向き合ってやっているなと思って見ていますけどね。

祐太郎：うわ、初耳（笑）。でも、プロになって自分の居場所をみつける難しさというか、状況を変えることってこんなにも難しいんだっていうことを実感したのは間違いないね。だから、兄貴のことも…以前は家族であり、サポーターとして単に「試合に出た！」「点を獲った！」って無邪気に応援していたけど、兄貴も大変な思いで戦っていたんだろうなってことが今になって分かる。でも見方を変えれば、自分の努力次第で道は拓けるということを兄貴が証明してくれているからね。それは励みでもある。